塩素系漂白剤の特徴
主成分に次亜塩素酸ナトリウム持つ塩素系漂白剤。
その大きな特徴は漂白力の強さです。頑固な汚れにもしっかりと効果を発揮します。ただ、漂白力が強すぎるため、染料まで脱色してしまうことも。そのため、白以外の色物や柄物に対して、塩素系漂白剤を用いると、激しい色落ちが生じる可能性があります。
そのほかにも、漂白剤を用いる生地によっては、繊維を傷めてしまうケースも。綿、麻、アクリル、ポリエステル以外の繊維には、塩素系漂白剤を使うのは控えましょう。
酸素系漂白剤の特徴
酸素系漂白剤の主成分は、過酸化水素や過炭酸ナトリウムが一般的に挙げられます。漂白力の観点では、酸素系漂白剤は塩素系と比べるとやや劣ります。その分、染料を脱色しないため、色物や柄物の漂白に利用できるのは大きな特徴です。
正しい使い分け方
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤は、どちらが優れているという話では無く、それぞれの特徴を上手く使い分けることが大切です。
塩素系漂白剤は、アルカリ性でパワフルな漂白に適しています。ただ、色落ちという大きな欠点があるため、白い衣類やタオルなどの汚れ落としにおすすめです。
一方、酸素系は漂白力が緩やかであるため、塩素系だと色落ちしてしまう色物や柄物の汚れ落としに適しています。
このように正しく使い分けることで、それぞれの欠点をカバーできるのです。
混ぜて使うのはNG
塩素系と酸素系の漂白剤を混ぜると、毒性のある塩素ガスが発生します。塩素系漂白剤に「混ぜるな危険」の文言が記載されているのは、このためです。
塩素ガスによって引き起こる症状は以下の通りです。
<症状例>
- 皮膚や目に、刺激や痛みを感じる
- 鼻の奥や喉に、刺すような痛みと刺激臭を感じる
- 気分が悪くなる
- 息苦しい
- めまい
- 窒息感
- 吐き気
多量の塩素ガスを吸い込んでしまうと、呼吸困難や脈拍減少、チアノーゼ、咽頭痙攣などを引き起こすリスクもあり、最悪の場合は死に至ります。そのため、間違っても混同して使わないように、最大限の注意が必要です。